心のこと…

「医科心理学」の知識を遊ぶ

「心」の解剖・生理学への第一歩、細胞。

話は打って変わって私たちの「心」の解剖・生理学に入ります。 私たちの「心」のありかは基本的には中枢神経系(主には脳)にあると考えられているわけですが、その中枢神経系をつくる構成要素として「神経細胞=ニューロン neuron」があります。 かなり変わ…

こぼれ話;男はなぜマスターベーションをするのか?

長々と続けてきた進化心理学の話はこの辺で一旦終了にして、つぎの「心」の解剖・生理の話に入っていこうと思うのですが、どうでもいい話ながら、ちょっと興味深い話を取りこぼしていました。 男の人はなぜマスターベーションをするのか? 進化論的に見れば…

人種差別はずっとずっと 2

私たち人間は、意識的にどう思っていようが、おそらく生まれつきのデフォルトの特性として、自分と遺伝子的に近い、広い意味での「身内」に対しては優しくできる一方で、自分とは違う人種・民族の人たちに対して共感できず協力できず意地悪にさえなってしま…

人種差別はずっとずっと 1

私たち人間は、ほかの動物たちと同様に、自分と遺伝子的に近い「身内(血縁者)」をより大切にし、より愛他行動(利他行動)altruismをする傾向がある、ということをお話ししました。 これは逆に言うと、自分と遺伝子的に遠い「他人」に対しては、(相対的に…

悪い奴らをやっつけろ 2

進化論的な観点から、純粋に論理的・数学的に導かれる結論として、私たち人間が「悪い奴らをやっつける」という行動パターンを持っていることが、私たち人間がつくる強い群れ(社会)を維持していくために必要だ、ということになりました。 良いも悪いもない…

悪い奴らをやっつけろ 1

私たち人間を含めて動物たちは基本的に(1)自分の身体を成長・維持・強化することか、(2)子づくり・子育てに資することか、そのどちらかしかしていないはずだ、ということをお話ししました。 そのうえ、私たちは利己的な遺伝子が動かしている利己的なダー…

好意と意地悪 2

動物たちには遺伝子を共有している「身内」に対して利他行動(愛他行動 altruism)をする傾向がある…という話の続きです。 先にお話ししたハチのような極端な例だけではなく、私たちの仲間である哺乳類でも、動物たちは一般的に「身内」びいきな行動をします…

好意と意地悪 1

これまでお話ししてきた進化論の基本は適者生存でした。 動物たちはみんな自分が生存競争を生き残り子孫を増やす可能性が最大になるように進化してきたのですし、それだけが唯一の原理でした。 つまり、動物やちは基本的にみんな極めて利己的 selfishな行動…

こぼれ話;男はやっぱりボンッキュッボンが好き

これまでの配偶者選択の話は、基本的に女性が男性を選ぶ話ばかりでした。 それもそのはず、配偶者選択においては生き物的に「親投資 parent investment」が大きくならざるを得ない女性の方が圧倒的に厳しい目で配偶者を選ぼうとするからです。 とはいえ、男…

こぼれ話;ペニスの大きさは男性の性的魅力とは無関係?

世の中に、これほど馬鹿馬鹿しく、しかしこれほど未解決な問題もそうそうないでしょう。 女性にとって(性的対象としての)男性の魅力にペニスの大きさは無関係かどうか? 実際、学問的な調査・研究はさんざん行われていますが、なかなか決着がつかないので…

子殺しと利己的な遺伝子 3

「親投資 parent investment」に関連したもう一つのダークサイドは、「障害児殺し」です。 もうちょっとちゃんとした言い方をすると、親は自分の子どもに障害があることや、何らかの意味で健康ではないことを嫌い、愛することが難しくなってしまう、という問…

子殺しと利己的な遺伝子 2

継父stepfather(≒子どもの母親にとっての新しい性的パートナー)による子殺しの問題は、実はライオンに限らず、動物界では広く見られる現象です。 私たち人類に近い猿たちにも見られます。 ライオンのオスによる子殺しの話をしたところでお話ししたように、…

子殺しと利己的な遺伝子 1

引き続き「親投資 parent investment」の話です。 動物たちには、自分の持つ時間とエネルギーを(1)自分自身の身体を維持・強化・成長させるために使うか、(2)子づくり/子育てに使うか、のどちらかのモードしかない、ということはこれまでに何度も繰り…

男と女のラブゲーム 5

男も女も、配偶者(性的なパートナー)を騙したり出し抜いたりしてでも、自分の遺伝子の生存確率が最大限になるように、あれこれ戦略的な行動をします。 (といっても、すべては意識的・意図的にやっているものではなく、ほとんど完全に無意識的な行動である…

男と女のラブゲーム 4

原始時代から今に至るまで、男性にとってパートナーの女性の「身体の浮気」は、彼の遺伝子の存続に関わる大問題でした。 それを阻止する手段の一つとして「嫉妬」や、それに関連した「他の男性を寄せ付けないガード行動」があります。 それでも、女性は男性…

男と女のラブゲーム 3

原始時代の昔から、女性たちは(自分の遺伝子の生存可能性を最大にすべく)「浮気extra-pair couplation=EPC」という方法を使っていた…というお話をしました。 女性が浮気をするということは、その浮気のお相手の男性もいる、ということです。 要するに、男…

男と女のラブゲーム 2

原始時代から密かに続く女性たちの遺伝子継承戦略の重要な一つとして「浮気 extra-pair couplation」があったのだろう…ということをお話ししてきました。 女性たちは、特にイマイチな男性と一緒にいる女性たちは、妊娠可能性が高まる排卵日前になると急激に…

男と女のラブゲーム 1

配偶者選択 mate choiceにおいて、女性が男性に求めるいくつもの条件についてさんざん見てきました。 しかし、同時に、そんなにいくつもの条件をすべてキレイに満たす男性なんてそうそういないという現実があります。 希少価値です。 そんな希少価値の男性に…

アダムとイブの争い 9

原始時代から女性たちが配偶者(恋人)となる男性に求めてきたのは良き種馬になること(優良な遺伝子を提供してくれること)だけではありませんでした。 当然です。人間は他の哺乳類たちに比べて一人前になるまでの時間が長すぎるのです。子どもを産んだ母親…

アダムとイブの争い 8

女性が男性を「恋人」「配偶者」として選ぶとき、特に自分の遺伝子とかけあわせる「交配」の相手として(セックスの相手として)選ぶとき、これまでお話ししてきたことのほかにも、まだまだ基準があります。 そのうちとても重要なものが「肉体的な男らしさ」…

アダムとイブの争い 7

女性が男性を選ぶ時。自分とはどこか似ていて、しかし遺伝子的には離れている相手を配偶者(恋人)として女性は選んでいく、というところまでお話ししました。 しかし、女性が男性を選ぶ基準はまだまだたくさんあります。 そのうちの一つが、相手の男性が顔…

アダムとイブの争い 6

ネズミにおける配偶者選択 mate choiceでは、メスは匂いによってオスのMHC型が自分と近いか遠いかを知り、メスは自分と遺伝子的には遠く、MHCが大きく異なる相手を配偶者(恋人)として選ぶ傾向がある、ということをお話ししました。 驚いたことに、すべての…

アダムとイブの争い 5

動物たちには(特にメスがオスを配偶者として選ぶときに)「自分とどこか似た特質を持った相手を配偶者として選んでいく」という傾向があり、これによって「似た者夫婦」をつくり、その夫婦がお互いによく似ているところがさらに似ている子供をつくっていく…

アダムとイブの争い 4

男女が出会うことも、惹かれ合うことも、決して偶然ではないということ=類別交配 assortative mating(非ランダム交配 non-random mating)の話を続けます。 私たち人類に関してみると、よく知られたところでは、身長、体型(太っている、痩せている)、知…

アダムとイブの争い 3

配偶者選択 mate choiceは、決してランダムにされるわけではない…という極めて当たり前の話をします。 その中でも、まず取り上げたいのが、類別交配 assortative matingの傾向です。 動物たちは、ほとんどみんな、自分とどこか似た相手を配偶者として選ぶ、…

アダムとイブの争い 2

生き物が自分の持つ時間とエネルギーを、自分の身体を維持・成長させるためではなく、自分の次の世代(子ども)をつくり育てることに振り向けること。これを「親投資 parent investment」と言うのでした。 そして、当然といえは当然、この「親投資」には大き…

アダムとイブの争い 1

社会的には男女平等ということになっていますが、生物的には、当然男女は違います。いろいろな点で平等なわけはないのです。 そもそも、生き物が有性生殖を始めた時から、わりとすぐに男女(オスとメス)が別れました。 生殖細胞が大きく少ない方(卵)を持…

こぼれ話;女子どもは殺さない…

アフリカのアダムとイブの昔から、どうやら人類の祖先は戦争(部族間闘争)ばかり繰り返してきたであろうことを前提にお話ししてきました。 それほど、戦争(部族間闘争)は人類にとって基本的な本能行動であって、おそらく人類の進化に必須の条件でもあった…

アダムとイブの戦い3

その頃、日本では… 全人類共通の父「アフリカのアダム」が地上に降り立ったのが約5万年前。それからしばらくして、私たち人類の先祖たちは、人類発祥の地・アフリカを出て全世界に増えながら散らばっていきました。 その第一波が、アフリカの真ん中→アラビア…

アダムとイブの戦い2

アダムとイブの昔から(ここで言うアダムとイブは、旧約聖書のアダムとイブではなく、人類の遺伝子の起源をたどって行き着いた約5万年前の全人類共通の父「アフリカのアダム」と、約15万年前の全人類共通の母「アフリカのイブ」のことです)男性は女性よりも…