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心のこと…

「医科心理学」の知識を遊ぶ

アダムとイブの争い 9

原始時代から女性たちが配偶者(恋人)となる男性に求めてきたのは良き種馬になること(優良な遺伝子を提供してくれること)だけではありませんでした。 当然です。人間は他の哺乳類たちに比べて一人前になるまでの時間が長すぎるのです。子どもを産んだ母親…

アダムとイブの争い 8

女性が男性を「恋人」「配偶者」として選ぶとき、特に自分の遺伝子とかけあわせる「交配」の相手として(セックスの相手として)選ぶとき、これまでお話ししてきたことのほかにも、まだまだ基準があります。 そのうちとても重要なものが「肉体的な男らしさ」…

アダムとイブの争い 7

女性が男性を選ぶ時。自分とはどこか似ていて、しかし遺伝子的には離れている相手を配偶者(恋人)として女性は選んでいく、というところまでお話ししました。 しかし、女性が男性を選ぶ基準はまだまだたくさんあります。 そのうちの一つが、相手の男性が顔…

アダムとイブの争い 6

ネズミにおける配偶者選択 mate choiceでは、メスは匂いによってオスのMHC型が自分と近いか遠いかを知り、メスは自分と遺伝子的には遠く、MHCが大きく異なる相手を配偶者(恋人)として選ぶ傾向がある、ということをお話ししました。 驚いたことに、すべての…

アダムとイブの争い 5

動物たちには(特にメスがオスを配偶者として選ぶときに)「自分とどこか似た特質を持った相手を配偶者として選んでいく」という傾向があり、これによって「似た者夫婦」をつくり、その夫婦がお互いによく似ているところがさらに似ている子供をつくっていく…

アダムとイブの争い 4

男女が出会うことも、惹かれ合うことも、決して偶然ではないということ=類別交配 assortative mating(非ランダム交配 non-random mating)の話を続けます。 私たち人類に関してみると、よく知られたところでは、身長、体型(太っている、痩せている)、知…

アダムとイブの争い 3

配偶者選択 mate choiceは、決してランダムにされるわけではない…という極めて当たり前の話をします。 その中でも、まず取り上げたいのが、類別交配 assortative matingの傾向です。 動物たちは、ほとんどみんな、自分とどこか似た相手を配偶者として選ぶ、…

アダムとイブの争い 2

生き物が自分の持つ時間とエネルギーを、自分の身体を維持・成長させるためではなく、自分の次の世代(子ども)をつくり育てることに振り向けること。これを「親投資 parent investment」と言うのでした。 そして、当然といえは当然、この「親投資」には大き…

アダムとイブの争い 1

社会的には男女平等ということになっていますが、生物的には、当然男女は違います。いろいろな点で平等なわけはないのです。 そもそも、生き物が有性生殖を始めた時から、わりとすぐに男女(オスとメス)が別れました。 生殖細胞が大きく少ない方(卵)を持…

こぼれ話;女子どもは殺さない…

アフリカのアダムとイブの昔から、どうやら人類の祖先は戦争(部族間闘争)ばかり繰り返してきたであろうことを前提にお話ししてきました。 それほど、戦争(部族間闘争)は人類にとって基本的な本能行動であって、おそらく人類の進化に必須の条件でもあった…

アダムとイブの戦い3

その頃、日本では… 全人類共通の父「アフリカのアダム」が地上に降り立ったのが約5万年前。それからしばらくして、私たち人類の先祖たちは、人類発祥の地・アフリカを出て全世界に増えながら散らばっていきました。 その第一波が、アフリカの真ん中→アラビア…

アダムとイブの戦い2

アダムとイブの昔から(ここで言うアダムとイブは、旧約聖書のアダムとイブではなく、人類の遺伝子の起源をたどって行き着いた約5万年前の全人類共通の父「アフリカのアダム」と、約15万年前の全人類共通の母「アフリカのイブ」のことです)男性は女性よりも…

アダムとイブの戦い1

現代に暮らす世界各地の男性、女性の遺伝子を調べることで、人類の起源を推定することができる…。 より具体的には、男系で継承されるY遺伝子の遺伝子変異を追うことで世界中に住む男性の遺伝子的な系譜を追うことができますし、女系で継承されるミトコンドリ…

こぼれ話;私たちは本当に自分の「意思」で動いているのか?

これまでの「道具をつくり、使うこと」、「歌と音楽」、そして「言語活動」の議論からおわかりのように、これら3つの人間独特の行動は全て基本的に同じものです。「目的に対して直線的に方向付けられた、階層構造を持ち順序立てられた動作」のプログラミング…

進化論の話11

より強い、より複雑で柔軟で大規模な「群れ」・「社会」をつくり維持する能力を得るために人類の脳は進化してきたという側面があったであろうことを以前にお話ししました。 そしてそれと同時に、今回ここまでで、人類は「道具をつくり、使うこと」をより複雑…

進化論の話10

サル以上の高い知能を持った動物たちだけが行うことができる「(主には手や道具を使って行う)目的に方向付けられ階層構造化された動作」を脳内でプログラミングにすること。その極致が、私たちが何気なく普通に行なっている「道具をつくり、使うこと」です…

進化論の話9

目的に方向付けられ階層構造化された動作のプログラム≒「意図」を伝えるメカニズム 私たちが人間やサルには「(主には手や道具を使って行う)目的に方向付けられ階層構造化された動作」を大脳皮質でプログラミングして、実行する能力があります。それを行な…

進化論の話8

目的に方向付けられ階層構造化された行動の組み上げ 私たち人間は、目的に方向付けられ階層構造化され、順序立てられた動きの組み合わせによる、複雑で柔軟で合目的的な動作goal-oriented actionをすることができます。(これは複雑さの程度の差こそあれ、サ…

進化論の話7

二、三十年くらい前は、脳の「言語野」はどのように考えられていたか? ここからしばらく進化論的な「言語」能力と「道具をつくり使う」能力の関わりを考えていきます。 その前に、脳の構造・機能として「言語」能力が昔はどのように考えられていたのかを振…

こぼれ話;一緒に歌うと仲良くなれる?

人類にとって「歌」はサルにとっての「毛づくろい」から発展してきたとすると、サルにとっての「毛づくろい」が群れの仲間同士の絆を深めることに役立っているだろうことを考えると、人類にとっての「歌」にも同じ役割があったのだろう、と思えます。 そして…

進化論の話6

人類にとっての声、歌、音楽というものをもう少し考えてみます。 人間は複雑な発声装置(声帯・喉頭から口腔内の構造、呼吸関連の筋肉、そしてこれらを精密に動かす神経)を発達させて、「声」を意図的に操作することで、そこに自分の気持ちを表現することが…

進化論の話5

サルたちが群れのメンバー同士の絆を育むためにしている「毛づくろい grooming」。そこから発展したであろう、一緒にハミングのような声を上げること(≒歌を歌うこと)。 こうしたことが可能になるように脳が発達し、声を出すための身体の仕組みが発達し、そ…

進化論の話4

言葉と音楽の由来 私たち人類の祖先はいったいどうやって「言葉」を持つようになったのか? (これは、おそらく他の動物にはないであろう「私」という意識を持つことにも関係してきます。) 進化心理学の分野で一般的に言われているのは、「言葉」の由来はサ…

進化論の話3

現在の人類に直接つながる(遺伝子的にもおそらくほとんど同じの)人類の祖先は、女性については約20万年前〜15万年前の「アフリカのイブ」まで共通の祖先を遡ることができますし、男性については約5万年前〜6万年前の「アフリカのアダム」まで共通の祖先を…

進化論の話2

今の人類は20万年ほど前からだいたいこんな感じだった 私たちが中学生、高校生だった頃は、世界各地で見つかった化石化した「何とか原人」が現代人類の遠い祖先であるかのような書き方をした教科書が普通にありました。 そんな「何とか原人」を見て私たちは…

進化論の話1

進化論 evolutionは生物学の基本です。 おそらく未だに少なからぬ人が誤解しているのですが、進化論は決して複雑な仮定を含んだ仮説ではありません。 極めてシンプルな以下の3つの事実だけです。 (1)遺伝の原則:親から子に身体の作りや行動パターンといっ…

はじめに…。

以前から何度かやろうと思って挫折してきたことがありました。 精神医学の背景にある医学的心理学(医科心理学…とでも呼ぶのでしょうか)のまとめをつくってみることです。 内科や外科など普通の医学の背景には、人の身体の正常な構造を知る学問(解剖学 ana…